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原爆慰霊碑に稲田石が採用された理由(第49号)



 「原爆慰霊碑は稲田石で造られていると聞いたが,なぜ稲田石が採用され
たのか。」と,稲田石の産地である茨城県の方から御質問がありました。
 『慰霊碑解説のしおり』に,「原爆死没者慰霊碑(広島平和都市記念碑)
」は,設計者が丹下健三,材質は「みかげ石「稲田石」(屋根部分)」とあ
り,「1985(昭和60)年の改築工事まではコンクリート製」と書かれていま
す。改築工事のころの広島市の広報紙や新聞記事を調べたところ,昭和58年
5月2日付の『中国新聞』に「材料は現在のコンクリートに代えて白っぽい
ミカゲ石を使う」ことが書かれており,翌月19日付には「茨城県笠間市で産
出するみかげ石(稲田石)製に替える。」と,ここで稲田石の名前が出てき
ましたが,採用の理由は分かりません。丹下健三に関する資料を調べると『
丹下健三とKENZO TANGE』に,丹下氏が「慰霊碑を無垢の御影石
に変えたい」と提案したとの証言がありますが,ここにも稲田石を採用した
理由については書かれていませんでした。残念ですが,質問者には,資料を
見付けることができなかったことを報告しました。
 なお,稲田石について調べたところ,『石材の事典』に「素面が美しい.
磨き上がりの光沢.石質の硬さ.加工性に富む.」との説明がありました。
                           (調査情報課)

(平成26年5月1日発行)