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中国からの引揚げ船・興安丸の新聞記事(第56号)




 昭和28年8月の『中国新聞』に,中国からの引揚げ船・興安丸が舞鶴港に
入港したという記事が掲載されているか調べてほしい,という問い合わせが
ありました。
 中国からの引揚げ船の運航状況については,『人道−その歩み:日本赤十
字社百年史』に,昭和28年3月から10月までの間に,7回にわたって帰国船
が運航されたことが書かれていました。また,『日本赤十字社社史稿 第6
巻』によると,興安丸が第5次帰国船として,昭和28年7月31日に天津へ出
港し,帰国者を乗せて同年8月10日に舞鶴港に入港したことが分かりました。
 これらの記述を手掛かりに,昭和28年8月10日前後の『中国新聞』の記事
を調査しました。すると,8月8日付夕刊に「興安丸帰国者名簿」が掲載さ
れたのをはじめ,8月15日付夕刊には広島県から中国へ渡った人たちが帰郷
したことなど,興安丸による引揚げの様子が数日にわたって報じられており,
これらの掲載状況を質問者に回答しました。
 この質問は,その記事が掲載されてから半世紀以上の時を経た今年9月に
照会を受けたものですが,回答して間もなく,10月16日の『中国新聞』に,
昭和45年に三原沖で解体された興安丸の顕彰をたたえる会が有志により発足
したという記事が,また,11月20日の『産経新聞』には,興安丸ゆかりの品
が三原市へ寄贈された記事が,それぞれ掲載されました。何かしら不思議な
縁を感じました。
                           (調査情報課)

(平成26年12月1日発行)