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お雛様の掛け軸(第59号)




 終戦前後,広島県東部の備後地方で,桃の節句に,お雛様の人形の代わり
に掛け軸を飾っていたのを見たことがあるが,この掛け軸の名称と,掛け軸
を飾るようになった経緯が知りたいという質問がありました。
 『広島県民俗資料集成・総さく引』で探したところ,『広島県民俗資料集
成 4』の3月3日の項目に,「流しびな・土人形・掛軸(えさん)」とあ
り,「土人形とともにそれ[流しびな]が、えさん、掛軸に変った例が御調
町向島町ほか備南や芸北町にある。」という記述がありました。 
 ほかにも,『日本の民俗 34』には,三次市周辺で,女児の初節句にどろ
人形を贈る風習が,昭和10年頃から掛け絵が多くなった事例や,『日本民俗
地図 1』には,三原市久井町江木の桃の節句について,昔は土の人形であ
ったが今は掛け軸であるいう事例がありました。
 また,比和町教育委員会が発行した『「節句」展示解説』には,掛け軸に
お雛様が描かれた「絵賛」の写真が掲載されていました。
 掛け軸を飾るようになった経緯は不明でしたが,これらの資料を紹介して,
今回の調査は終了しました。
                           (調査情報課)

(平成27年3月1日発行)